苗字 |
源(ミナモト) |
説 |
上古にありては物部氏、中古以後にては藤原氏と源氏、この三つが本邦に於いて最も栄えし氏(名字)なり。 殊には平安朝以後、武家の頭梁として長らく天下の政権を掌握せし氏なれば、後世 武家の家系は、多く源氏と称す。 そのうちには真実源姓のものもあれど、假冒も少なからず。 そもそも このなる姓は、嵯峨天皇の御心より生まれしにて、天皇に皇子多く、一々親王家を立つる時は、 「人民の苦しむ所とならん」との大御心より、この氏(名字)を賜い、臣下となし給う。 これ本姓の起源にして、一口にと云うも、実際は十六流もあり。 まず第一に嵯峨源氏、仁明源氏、文徳源氏、清和源氏、陽成源氏、光孝源氏、宇多源氏、醍醐源氏、村上、 冷泉、花山源氏、三條源氏、後三條源氏、順徳源氏、後嵯峨、後深草源氏。それぞれ その天皇の後裔なり。 |
分派氏族 |
数える事難し |
1,堂上 − −昇殿をゆるされた源氏の家(18家)は以下の如し。
村上源氏の十家(久我、中院、六条、岩倉、千種、久世、東久世、梅渓、愛宕、植松) 宇田の五家(庭田、綾小路、五辻、大原、慈光寺) 花山源氏の一家(白川) 正親町源氏の一家(広幡) 清和の一家(竹内) |
2,清和源氏 − − 清和天皇皇子、長猷 長淵 長鑒 長頼 及び載子の四皇子、一皇女を初めとして、同じく皇子、貞固親王の御子 国淵、
貞元親王の御子 兼忠・兼信、貞保親王の御子 国忠 国珍 基淵、貞純親王の御子 経基 経生、貞数親王の御子為善、
貞真親王の御子 蕃基 蕃平 蕃固 元亮など、諸皇孫の後なり。
かく清和源氏にも、その流多けれど後世栄えたるは、経基王の後にて、他は殆ど現われず。
┌明国−行国−頼盛−行綱−定綱−光綱 |
3,村上− − 村上天皇の皇子致平親王、為平親王、具平親王、昭平親王などの後なれど、後世栄えしは、具平親王のあとにして、
師房より顕房、雅実、雅定、雅通、通親など代々、三公に昇る。
これを久我家と言う。中院、北畠、三條坊門の如きは、その庶流にして、北畠家 最も名あり。
は
┌通宗−通子(土御門妃・後嵯峨母) |
4,宇多源 − −宇多天皇の皇子、斎中親王 斎世親王 敦慶親王 敦固親王
敦実親王の後最も栄え、雅信は一条左大臣、弟 重信は六条左大臣と呼ばれる。
宇多天皇−敦実親王┬源 雅信┬時中−済政−資通−政長−有賢−資賢−時賢−有資┬=経資[庭田氏祖] |
5,若狭の− − 東寺文書、正安二年五月七日、源国友の遠敷郡平庄打開輩次第に
「元は新武蔵守 朝高、その子息 上野介朝国、云々、二郎大夫国友 云々、昔、祖 朝高より打ち開き候」と。
6,但馬の源 − − 太平記に「かの谷堂と申すは、八幡殿の嫡男 対馬守義親の嫡孫、延朗上人造立の霊地」と云い、
元享釋書に「延朗は姓、、但州養父郡の人 大将軍義家四世の孫なり。父は義信、母は平氏」とあり。
又、美含郡安木村 天正二年の人名帳にの氏名あり。
7,石見の − − 海東諸国記に「正教。丁亥年、寿藺護送と称し、使いを遣わして来朝し、
書して石見州住 右馬頭朝臣正教と称す」と。
8,筑前の源 − −海東諸国記に「正家。丁亥年、寿藺護送と称し、使いを遣わして来朝し、
書して筑前州相以島 大将軍朝臣正家と称す」と。
9,豊後の − − 源為朝、当国に流されて当国大野郷梨原村に到り、自ら海西 総追捕使と称し、諸城を攻め抜き、威を九州に振るう。
扶桑略記 及び百練鈔に「久寿二年四月三日、為朝、豊後国に居り、管内を威脅す。よりて與力輩を禁遏すべき」の由、
宣旨を太宰府に賜る。当時為朝は、梨原の人 尾張権守平時重の家に寓すと。
10,肥前の源 − − 河上社文書、天福二年八月五日に「寄進大檀那常行三昧建立 大願主比丘尼清浄、嫡男 佐兵衛尉源朝臣正尚、
二男 左馬允源政家、三男 左馬允源政康、四男 河上宮講衆大法師隆?、兵衛太郎政隆、寄進大勧進河上宮定直講衆阿闍梨大慶明」と。
又、当国在庁官人としては、文治元年に源朝臣成実、長ェ元年に源朝臣俊長などあり。
又、朝野群載、ェ仁三年の太宰府解に「肥前国前介知」を載せ、下って建武二年に源穏、定、増、長、契、乱、沙彌重範、沙彌道圓、
源高、源岩鶴などあり。これらは松浦党なり。
11,大隅の − − 建久九年の御家人交名に「源大夫利家」とあり。
12,陸奥の源− − 陸奥国二戸郡天台寺(別当桂寿院)正平十八年五月四日鰐口に「大旦那源信行」、
元中九年三月鐘銘に「大檀那左馬権頭朝臣守行」等見え、又、貞治六年十月三日の鰐口名に「六郎太郎源重盛」とあり。
13,他
グーグルロボットが文字重視の検索結果評価を与えるので、氏を削除、或いは 名字と云う文字も併記しました。
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