小   黒

解説

駿河、武蔵、羽前膳などにこの地名あり。

富山県上新川郡大沢野町、福井県坂井郡丸岡町、

長野県伊那市にこの地名あり。 

1、諏訪氏流 − − 武蔵国橘樹郡小黒より起こる。風土記稿橘樹郡條に

「小黒氏(諏訪河原村)、その祖は本国信濃にて、諏訪安芸守源頼忠の末孫、

諏訪部宗右衛門の弟 諏訪左近頼久と云う。頼久は北條家に仕え天正中に至り、

北條氏直没落の時、その身は隠れて寺尾村小黒の里に来たり、ここに暫く住せり。

先祖はゆえあるものなれど、かく民間に落しかば、氏をも改めて、地の名により

小黒とぞ云いける。この稲毛の地は多摩川にそいて良き地なれば二人の子をして、

そのほとりに新墾の田を開かしめ、居宅などを構え、それより農民のわざをのみ

勤めしかば、次第に家富栄えけり。よって村名をも諏訪河原と名づけたり。

しばしば村内 水災ありしかば、堀を掘りて水道を通し大いに力を尽くせり。

その頃のお代官 小泉次大夫も溝洫のことを務めしかば、かの指揮に従い近村の

人夫などかりたてて、すみやかに事なれり。その後又稲毛、川崎両所の用水を

開かれし時、かの次大夫奉行せり。又、諏訪明神はもとより己が尊敬する所なれば、

かの社をもここに造立せり。慶長十年七月二十五日左近頼久死せり」とあり。

2、藤原姓 − − 駿河浅間社々家にあり、駿河社家系図に「先祖 藤原利成の後」とあり。

       又、駿府内外寺社記抄に「浅間惣社神子十一人庁分役 小黒斎宮」とあり。

3、


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